現状の民主主義の選挙システムは欠陥品では?

id:ChieOsanai
きょうだいベイズ問題の件で英語原文とわかりやすい解説図貼ったお礼に相談に乗ってください。




簡単な話ですから先行研究はある気がするのですが見つけられなかったです

現行民主主義の政党と選挙というものは今の日本みたいに一強党と弱小政党たちの二極化が進んでくかアメリカみたいに超絶分断2分割になるかのどちらかになるのが安定していて、穏健でちょっとずつ方向性の違ういくつかの党が是々非々で議論して進めていくような望ましい状態は不安定で維持できないと思うんですがChieOsanaiさんどう思われますか


前提:政党には政治的指向と優秀さの二つのパラメータがある。政治家志望も有権者も、できるだけ自分と方向性が一致してるandできるだけ優秀な政党を選ぶ

シナリオA
①政治的指向は似通っているが優秀さがバラバラな政党がいくつかある

②政治家志望たちは一番優秀なところに入りたがり、有権者たちも一番優秀なところに票を投じる

③優秀なところはどんどん優秀になり、他のところはどんどん弱小になる

④そのうち力量差がつきすぎてほぼ独裁化し腐敗し始めるが弱小党たちはもう反撃能力がない

⑤独裁化完了


シナリオB
①政治的指向も優秀さもバラバラな政党がいくつかある

②シナリオAと同じ理由で、似たような政治的指向の政党は淘汰されて一強になる

③ちょっとでも指向が重なるところのある政党は票割れがあるのでやはり淘汰されて一強になる

④指向が全然重なるところのない正反対な二つの政党になる。あまりに政治的指向が違いすぎて「どちらが一番優秀」と比較できるような状態ではなくなるので独裁化は起こらない


なんでこんなことを思いついたかというと、よくはてブとかtogeとかで「自民が腐敗してきているのに野党議員や野党支持者がもっとダメで党派性にとらわれてて不甲斐ないから自民にしか投票できなくて独裁化が進む、野党はもっとマジメにやれ」と言われているのにどことなく違和感を持ったからです。

よくよく考えてみると、野党議員とか野党支持者が心を入れ替えたら真っ当に野党を盛り返してくれるだろう、というのはあまりに都合が良くて非現実的な予想です。

それより、野党議員や野党支持者が心を入れ替えて真っ当になったら現時点最高の党である与党に移籍したり応援したりするのでむしろ独裁化が急激に進むと考えるほうが妥当です。

もし仮に民主とかが偶然盛り返したら今度はみんな揃ってその時点で最高の党である民主党に移籍するし票入れるのでやっぱり独裁化が急激に進みます。維新でも公明でも同じことです。

anond.hatelabo.jp
こないだの増田ですが、この人の言ってることは本当にその通りです。トップコメ
ちなみに、こういう人たちが育て上げたのが自民党です笑 良かったね笑 というのは置いておいて、育てるという言葉に引っかかる人というか、勝機を見出してる人が多いな、という感想です - lanlanrooooo のブックマーク / はてなブックマーク
がよくわからないことを言っていますが、こんな曖昧なことを言ってないで具体的に野党を育てる方法を教えてほしいです。そもそも野党を育てるというのは現在の選挙システムでは不可能なまやかしで、育っていった野党の実例とか見たことありません。党というのは優秀な人間をさらってでも連れてくればその時点で完成します。

政治的な分断とかも、「分断を起こすな」なんていうのはつまり「おまえたちが折れて私たちに合わせろ」でしかないので言っても意味がありません。そもそも個人個人がそれぞれの考えでよりよい方向に進もうとするからこそ離れていくのです。悪いのはそのエネルギーではなく、それを二極にまとめてしまう選挙システムの力学です。もっとまんべんなくいろいろな方向に進むようにしたらちぎれなくなります。


むしろダメで党派性にとらわれてて不甲斐ない人間や、政争に明け暮れて分裂したりくっついたりして新党を脈絡なく作る人間、そして「本当は現時点最高の党に入れたいけど、それだと独裁化してしまいそうだから二番手の党に入れよう」(お灸を据えるとも言う?)という選挙システムの理念から離れた邪道な投票行動、そんな愚かさとか小手先にテクニックとか不要なものたちこそが現状の選挙システムにおける多党の合議制を成り立たせていて、真っ当に政治をやるのは独裁か分断のどちらかへの直行便です。

ここで思い出したのが学校の運動会の赤組と白組のことです。クラスとか出席番号とかで機械的に振り分けられる赤組と白組は、互いに競争する団体としては政党よりずっと優れていると思います。議員というものがもし優秀さのパラメータだけで表せるものなら、政党もくじ引きとかで所属を決めたら丸くおさまったのではないかと思います。ただ実際には政治的方向性のパラメータがあるのでそんなことやったら党内がまとまらずうまくいかないでしょう。

その次に思い出したのが
https://twitter.com/kapibaku/status/1358065449032818688
に書いてあったヴェネツィア国家元首のドージェを指定する選挙の仕組みというものです。
これを最初読んだときは偶然を介在させるメリットとは何か全くわからなかったのですが今となってはなんとなくわかります。合理性を突き詰めてしまうと結局は独裁しか生まれないからでしょう。
ただ、それでも抽選というのは受け入れがたいし、現代だとなんとなくクジの不正もやりやすい気がします。ドージェ選挙はあくまで有権者が500人しかいなくて相互監視がやりやすかったからこそできたものだと思います。




現時点の選挙方法では独裁か分断に陥る、かといって抽選に頼るのは参政権の平等と反してる気がするから無理、となったらどうすればいいかというと
「加入したい党に加入できない」「投票したい党に投票できない」を全国民に平等に課すしかないと思いました。少数意見を取り入れるのも既存の大選挙区や比例より筋がいい仕組みでできるのではないかと思います。


修正案

  • 国政選挙の衆議院参議院にのみ適用する。地方選挙は今のまま。
  • 完全小選挙区制。大きい選挙区は費用がかかるから。
  • なんらかの国政政党に所属しないと選挙には出られない。
  • 党から脱退した人は次の選挙が終わるまでどこの党にも加入できない。元鞘も不可。
  • A党は一度の選挙で5%以上90%以下の選挙区、かつ3つ以上45以下の都道府県の選挙区に候補者を出さなければいけない。できなければ強制解党。
  • A党が4回連続で候補者をα選挙区に出したら、次回はα選挙区には出せない。
  • A党がα選挙区に出した候補者が2回連続で当選したら、次回はα選挙区には出せない。
  • ××さんが2回連続でα選挙区に出馬したら、次回はα選挙区には出馬できない。
  • ××さんが4回連続で出馬したら、次回は出馬できない。


これくらいの制限をつけることで、「優秀な政治家が出馬できないから比較的無能な候補者から選ばざるを得ない」「好みドンピシャの方向性の政治家が出馬できないから似たような方向性の政治家を選ばざるを得ない」状況をそこそこの頻度で作り出せます。
また、政治家志望はあまり党員の多いところに入ると出馬しづらいので少なめのところに分散して入るようになるでしょう。
有権者、団体、地域などそれぞれが、それぞれにとって一番良い党だけでなく二番目や三番目に良い党を選んで、そこに投票したり応援したりするのは独裁や分断を防ぐだろうと思っています。
ただ、「なんらかの国政政党に所属しないと選挙には出られない」というのは思いっきり被選挙権の平等に反するのでどうしたものかと思います。これがないと独裁党が別働隊として無所属を出してくる気がするので入れておいたのですが。

いかがでしょうか。